75歳以上の人口が子どもの人口を上回る

 1週間ほど前になりますが、2015年の国勢調査の確定値が公表されたとの報道がなされていました。
 総務省が公表した確定値によると、2015年10月1日時点で、外国人を含む日本の人口は約1億2709万人で2010年の前回の国勢調査からおよそ96万人減少し、このうち75歳以上の人口は約1612万人と総人口のおよそ8分の1を占めたのに対し、14歳以下の子どもの人口は約1588万人となり、前者が後者を初めて上回ったとのことです。過去の統計をみると、75歳以上の人口は1985年からの30年間で約3.4倍にも増加しているのに対し、14歳以下の子どもの人口は同じ期間で約40%も減少しているとのことです。
 このように少子高齢化に歯止めがかからない状況が続いていますが、注目すべき数字であると思ったのは、世帯数の増加です。人口が減少しているにもかかわらず、世帯数は約5344万世帯と過去最高を更新し、1人暮らしの単独世帯は約34.6%を占め、65歳以上のおよそ6人に1人が1人暮らしとのことです。

 このような少子高齢化や高齢者の単独世帯の増加などによる影響で、近年、法定相続人がおらず遺言ものこさないまま死亡し、死亡の知らせを受けた法定相続人でない親族や関係者が、彼らに相続権がないため遺産を処分することもできず、死後の住居の整理・退去や、葬儀・埋葬・供養などの対応に苦慮する事例も増えています。このような場合の対応方法については、「相続人がいない人の葬儀費用の支出」というテーマで述べたところです。
 孤独死をしているところを死亡後時間が経過してから発見される場合などもあり、今後、福祉の財源の問題とも絡んで、見守り体制をどのように確立していくかなど、社会全体で解決策を模索していかなければならない容易ならざる重要な課題であると思います。

 個人のレベルで何をしておくべきかという観点から考えると、まだ自分の頭がしっかりしており、動くことができるうちに、準備をしておくことに尽きると思います。「自分はまだ大丈夫だ。」と思って何も準備をしておかないまま時が経過し、結局、事が起こったときに、周囲の人が苦慮するという結果を招いている例も少なくないと思います。
 準備としては、遺言書を作成するのが最も普通の方法ですが、それ以外にも、死後事務委任契約(「死亡した後のことを誰かに頼みたい~死後事務委任契約」参照)や民事信託などの方法やこれらを組み合わせた方法もあります。ご自分の状況に最も適した方法による準備、対策を、専門家に相談するなどして、的確に講じておくことが望ましいと思います。
 


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